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【高知】日本最後の清流四万十川の沈下橋と夏空〈前編〉

ココがポイント

四万十川の沈下橋と夏空

今回の旅地図

*青い線が今回の旅ルートとなります

*数字につきましては、👇下に表示されている目次の番号となります

※旅ルートにつきましては川沿いのため省略します

四万十川について

四万十川と聞いてみなさんが頭に思い浮かぶのは、日本最後の清流と呼ばれている美しい川や幅が狭く両側に欄干が全くない真っすぐに伸びる沈下橋などではないでしょうか

今回は、夏休み前ということで四万十川の沈下橋と夏空とともにお伝えしようと思います

四万十川本流の長さは、全長196km、流域面積は、2186km²と全国で11位の長さを誇っている

また、四国で1番長い川名水百選(河川として)、日本の秘境100選、さらに日本三大清流(四万十川、長良川、柿田川)とあらゆる河川のタイトルを獲得しています

高知県西部に逆S字の形で流れている四万十川はとにかく、くねくねU字、S字を繰り返し、数多くの支流が流れ込んでいます

どれくらいの支流の数があるかというと、なんと支流の総数は、319本に及びます

支流の数が40010本あるから四万十という名前がついた由来には足りてはいないものの数多くの支流が流れているんですね

四万十川は日本最後の清流となぜ呼ばれているのか知っている方は少ないかもしれません

川の水が清流として綺麗で生物の多様性に特化しているのはもちろんのことですが、最後の意味は大きなダム工事が行われていない唯一の清流であるという意味が込められています

しかし、上流のほうに佐賀取水堰(家地川ダム)があり、ダムがないわけではない

そもそもダムの定義とは何かと聞かれて答えられる人もほとんどいない

ダムの定義としては、堰堤(えんてい)の高さを15m以上でなければダムとは扱わないという決まりがあり、佐賀取水堰は条件を満たしていない、よってダムという名前が付いていても正式にはダムと扱わない

※堰堤(えんてい)とは、河川の水流や土砂をせき止めるために、コンクリートなどで築いた堤防のこと

ということは、最後の清流という表現は間違いではなかった

いつものように話が逸れたので四万十川の沈下橋に浸る旅へ出発しよう!

小原橋

四万十川で一番河口に近い沈下橋といえば👆上の写真の小原橋だと思います

実は、この川は四万十川ではなく四万十川に合流する手前の中筋川と呼ばれる支流の川です

橋としての長さは短いのですがそれでも欄干が全くない立派な沈下橋には間違いありません

もし近所にあったら毎日の散歩コースに通りたくなるような雰囲気があります

※欄干とは、橋や階段などの縁に人が滑落するのを防いだり、装飾として柵状に作り付けたもの

そんな短い小原橋ですが、真正面から見てみるとどうでしょうか

橋の上を歩いているのに視界に川の流れが入ってくるのがとても不思議な感覚

眺めているとついつい腰を掛けてみたくなります

試しにしてみたら意外と高さがあって落ちそうで意外と怖い!

実はこの小原橋は、昭和38年に竣工されたとても古い橋なのです

四万十川の沈下橋は、沈下橋が生活・文化・景観・親水等の重要な役割を担っていることから計48の沈下橋を保存対象としています

そして、その保存対象に小原橋は含まれていませんでした

理由はわかりませんが、四万十川の河口付近ですぐに支流の中筋川に分岐してしまう、沈下橋としてのスケールが小さいなどが考えられます

今成橋(佐田沈下橋)

四万十川で一番有名な沈下橋といえば、佐多沈下橋ではないでしょうか

本当の名前は、今成橋という名前なのですが、佐多沈下橋で親しまれている

昭和47年に竣工されて、全長は約292mもあり、四万十川の中では1番長い沈下橋となっています

とにかく観光客がとても多く、四万十川下流から一番目の沈下橋として交通の便がよいことから親しまれています

今回数多くの沈下橋を巡ったのですが、佐多沈下橋は人数が全く減らず真正面からの写真が撮れませんでした

ちょいと横の風景を覗きこめば、緑に囲まれた山地の溝に沿って、四万十川が緩やかに流れる風景に癒される方も多いはず

のんびりと緩やかに流れている四万十川ですが、台風の接近や通過時の大雨によって沈下橋を乗り越える水位に達することもあります

その際に役に立つのが沈下橋の設計構造で、流木など引っかかって詰まらせ水位を上昇させないように欄干が取り除かれているのです

何もない沈下橋ですが、そこには河川の氾濫や浸水害に対して苦労してきた昔の方々の知恵がたくさん詰まっていました

子供のように水遊びしている最中に水中で見つけて一時的に捕獲して記念にスマホでパシャリと撮ったカメさんです

このカメの名前をわかる方はいらっしゃるのでしょうか

私は素人のため、アカミミガメ(ミドリガメもしくはミシシッピアカミミガメ)以外判別することができません

正解は、二ホンイシガメです なんと日本の固有種2種類のうちの1種類で全国的に数が減っている準絶滅危惧種の生き物に出会うことができました!

さすが四万十川!外来種の生き物より日本の固有種が先に見つかるなんて素晴らしい!

最後の清流とは、ダムが存在せずに、水が綺麗なだけではなく生き物の多様性も含まれているかもしれません

帰り際にチラッと姿を現した屋形船

ある程度水深が深いエリアを上下に行き来する観光船でしょうか

四万十川の水上から眺める景色もまた格別かもしれません

三里橋

お次は、三里沈下橋で佐田沈下橋よりそれほど離れてはいないですが、観光客の数は少ない

竣工年数は、昭和38年と佐田沈下橋より10年近くも前に建設されました

沈下橋の長さは、約146mと短くも長くもない平均的な長さになっています

こちらは左岸の方に、河川敷が広がっているので沈下橋を下のほうから見上げることもできます

※右岸、左岸は、川の上流から下流のほうを向いたときに右側が右岸、左側が左岸である

車の通行が可能でちょうど2台の車が同じ方向へ進んでいる

鉢合わせたら進んでいる方が優先なんでしょうか、幅が狭い沈下橋をバックするのは落ちたらドボンなんでちょっと怖い

下から眺める三里沈下橋の雰囲気もこれはこれでよい

パッと見た瞬間はどれも同じように見えますが、沈下橋ごとに色や形に加えて支柱の本数、道幅が違ったりします

最近は川に飛び込み事故に繋がるケースも多々あり各地の河川で禁止されていますが、四万十川は昔から子供たちが沈下橋からダイブする光景が故郷の雰囲気があって個人的に好きです

おおー!これぞ火の玉ストレート!

道幅が全く変化してないのと沈下橋の支柱が視界に全く入ってきません

この瞬間、三里沈下橋の形はまぐろの好きな沈下橋に選ばれました

高瀬橋

お次は、高瀬沈下橋です この沈下橋は四万十川で3番目に長く、全長約232mもあります

実際に歩いてみると高瀬沈下橋って意外と短く感じるので、この長さには驚きました

そもそも橋の長さってどこからどこまでが測られているのか疑問に思った方もいらっしゃるかもしれません

実は、川の上に架かっている長さだけではなく一番端っこの橋台から橋台までの距離がその橋の全長となっています

※橋台とは、橋の両端にあって道路を支える下部構造のこと

高瀬沈下橋の竣工年数は昭和48年と比較的新しい沈下橋ですね

新しいと言っても50年近く経ちますが、橋の雰囲気は古いより懐かしいほうが上回っています

植生は異なりますが、背景の山地が奄美諸島の加計呂麻島を思い出させます(参考:九州1周&加計呂麻島 自然を求めて3000kmの旅⑧)

四万十川の川幅は、広くなったり、狭くなったりを繰り返すので場所によってイメージが変化していくのも魅力の一つです

わかりますかね、手前の方は川幅がとても広いのですが、奥の方はキュッと引き締まるように狭くなっています

となると、水深が急に深くなるもしくは、川の流れがとても速くなることが予想されます

四万十川は、川の表情から地形を想像するのもくねくねした変化の多い河川ならではの面白さですね

勝間橋

勝間沈下橋は、橋脚がすべて3本あって沈下橋の中でも珍しい

全長約171mもあり周囲では、カヤックに乗って漕いでいる人がとても多く楽しそうでした

今回は、沈下橋中心ですので四万十川の遊びについては触れませんが機会があれば、釣りやカヌーなど体験してみたいですね

また、釣りバカ日誌14の聖地としても有名で、視聴済の方はすぐに気づいたのではないでしょうか

勝間沈下橋は竣工昭和34年と古い沈下橋ですが、下から覗くと3本の脚でしっかり支えていることがわかります

青い空に、積雲、雄大積雲と夏空に相応しいもくもくと膨らむ雲と沈下橋の上を通り過ぎる地元の方の車

故郷でもないのに、帰ってきたなぁと呟いてしまう

理由はなくても、なんかいいという言葉がぴったりのような気がします

屋内大橋

 

屋内大橋(口屋内沈下橋)に向かって行く途中で現れた四万十のとても美しい風景

右側には座って少し休憩できそうなスペースがありました

屋内大橋(口屋内沈下橋)は、全長約241mととても長く、竣工は昭和30年と今まで見てきた中で1番古い沈下橋になります

真上から見た屋内大橋(口屋内沈下橋)はとてもいいのですが、よく見るとガタガタしてて通行止めになっています

大雨の影響を受けたのか、補強工事でもしているような雰囲気があります

横から眺めてみると独特の雰囲気を持っていることに気づきます

縦からだと凸凹しているように見えた形は、曲線によるデザインだったのです

屋内大橋(口屋内沈下橋)は、一番お洒落な沈下橋だと思いました

目の前まで近づいてみると入口が封鎖されている影響で廃墟橋のような雰囲気を感じる

近年日本全国で渡れない橋が数多くあり、渡ることができずに困る人がいるという話を聞いたことがあります

橋の寿命は50年と言われており、そこから一気に老朽化が進むため封鎖されてしまう

今後は、日本全国でその数も増加する一方なので近所のよく使う橋の竣工年数をチェックしてみるのも面白いかもしれない

たくさんの自然に囲まれた四万十川の沈下橋と夏空を少しでもいいなと感じたら夏休みの思い出作りに四万十川へ行きましょう!

最後までお読みいただきありがとうございました!

んびりとした風景を求めて四万十川を遡上します!次回の後編もお楽しみに! (^^♪3

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